テロから数日が経って

パリのテロから数日が過ぎました。
この数日間、こういう事態にどんな心構えを持ち、
どう行動していくべきか考えていました。
日常を普通に送っていても恐怖が植えついたことは確かです。空いた時間に引き出しの中や、棚の掃除をしている自分がいます。
旅に出る前は もし自分に何かあっても恥ずかしくないように
整えてからでることはありますが、
今こういった行動にでる自分を分析してみると
「何かあったとき」を想定しているのかな、と感じます。

この次はケミカルを使ってのテロ行為かもしれない、と報道されています。
1995年のサリン事件も例にだされていました。
どこで何が起こるか本当にわからない、呑気でも無関心でいたくてもいられない。

テロの的になっているCOP21に 旦那さんもコンサートで呼ばれていました。
開催はされるようですが、アクティビティ関係についての決行、
もしくはキャンセルの連絡はまだ届いておりません。
本当ならこんなに嬉しいことはないのですが、複雑です。

10歳の娘が2年ぶり位に 夜中に「こわい。。」と言って 私のベッドに潜り込んできました。
お布団をさっと持ち上げて、抱きしめて朝まで眠りました。
朝起きて
「どうしたの?」
と聞いてみると、
「アクムみたの。。。。」と。

現実に起こったこの悲惨な事件で心に影響を受けているのだな、と感じました。
このテロの時代を生き抜いていかなければいけない世代の彼らに
事実をしっかり説明していかなければなりませんが、
テレビでひっきりなしに流れる銃撃戦や鮮血は極力避けなければ、と思っていたら
ある朝、パンッと乾いた音がして テレビが壊れてしまいました。
十数年もっていた優秀なテレビがこのタイミングで終わりを告げるのも
なんてタイミングがいいのだろう、と
感心してしまったくらいです。

フランスのテロについて調べていたら、なんとテロの多い国なんだ、と驚きました。
日本が 核と切り離せない歴史なら、フランスはテロと切り離せない歴史の国なのです。
https://fr.wikipedia.org/wiki/Terrorisme_en_France

更に世界のテロ発生リストを見ても愕然とします。ほぼ、毎日といっていいほど世界中のどこかでなにかが起こっているという事実。
https://en.m.wikipedia.org/wiki/List_of_terrorist_incidents,_2015

暴力に対して暴力が解決に繋がるとは思っていませんが、国も人種も言葉もロジックも違えど
”ヒューマン”
解決を信じてむかえる相手なのか?
そう考えると ペッシミストな私が顔をだします。

コンサート会場バタクランで奥様を亡くされた方、アントワンヌさんが書かれた手紙。

「金曜の夜、あなたたちは私にとってかけがえのない存在であり、人生の最愛の人である、
私の息子の母親の命を奪ったが、あなたたちは私の憎しみを得ることはできない。
あなたたちが誰なのかは知らないし、知りたくもないが、
あなたちの魂が死んでいることはわかる。
あなたたちが盲信的にその名の下に殺戮を行っている神が、
人間をその姿に似せて作ったのだとしたら、
私の妻の体の中の銃弾のひとつひとつが彼の心の傷となるだろう。

だから、私はあなたたちに憎しみという贈り物をしない。
もっともあなたたちはそのことを望んだのだろうが、憎しみに対して怒りで応えることは、
今のあなたたちを作り上げた無知に屈することを意味する。
あなたたちは私が恐怖におののき、同じ街に住む人々に疑いの目を向け、
安全のために自由を差し出すことを望んでいるのだろう。
あなたたちの負けだ。何度やっても同じだ。」

インタビュアーが続けて質問します。
「あなたの中に本当に憎しみや怒りはないんでしょうか。」

自分にそれを禁じています。
私は素晴らしい人間ではないし、模範でもありません。
もしかしたら明日か明後日、またはその次の日に怒りがこみ上げてくるかもしれないし、
同じ街に住む人たちに疑いの目を向けるかもしれませんし、
恐怖を感じる時もあると思いますが、
自分がそうしたことに屈しないためにこの手紙を書きました。
自分の息子に、自分自身に言い聞かせるために。
起こったことは取り戻せないし、ふたりとも一生悲しむでしょうし、
彼女と共に私の一部が死んだことも事実ですが、
それでもずっと受け身のままではいられないのです。
そうしてはいけないのです。
この手紙はそのことを言葉で書いたものです。
そのような感情に屈してはいけないのです。
なぜなら、私の息子が 彼の、または私の中の恨みの感情と共に大きくなるのを放置してしまったら、そうなったら息子は彼らと全く同じ人間になってしまうからです。

私は一番最後のお答え、私の息子が彼の、または私の中の恨みの感情と共に大きくなるのを放置してしまったら、そうなったら息子は彼らと全く同じ人間になってしまうからです。
に共感の意を深く持ちました。「haine 憎悪」から 生まれる美しい世の中はイメージできませんから。

これ以上、テロリスト達の勢力を拡大させていくことだけは避けなければいけません。
フランスで生まれ、フランス人になった移民達が人種差別などを受け、フランスを「憎む。」
まず そんな社会を見直さなければいけない。。。
フランスのジャーナリストが命を賭けてISISにソーシャルメディアを通し仲間になりたいふりをしてコンタクトをとると
いとも簡単に会える仕組みになっていました。
「mon frere (兄弟)」と電話の向こうで呼ばれ、居場所を与えられる。
そして、モンスターへと姿を代えていくのです。

まだまだモヤモヤした気持ちは渦巻いていますが、「今」に集中して生活していくこと。
毎日の喜怒哀楽を2倍楽しんでいます。
日本の友人から沢山届いた励ましや心配のメッセージにも感謝の気持ちが溢れ、
こんな状況の中でも温かな気持ちに包まれました。
ネガティブがどんなに強い状態でも ポジティブな感情に勝るものはありません。
先代だってこうして乗り越えてきたわけですから、
その一歩、踏み出したいと思います。

 

2 Responses to “テロから数日が経って”

  • N:

    その後いかがですか。ファーマシーのご子息の話、深く同情します。そういう個人的な話として聞いたからな訳ですが、それが犠牲者の数だけあるということですよね、聞こえてこないだけで。またパリからの距離を越えた悲劇に慄然とします。フランスに限らず同盟国側の(私を含む)人々にとって他人事ではありません。
    奥様を亡くされた方の手紙、私も翻訳で読みました。これも含め、今回いかにフランス人が(建国理念だという)自由、平等、友愛に価値を置いているか知った思いでした。手紙のように「憎まない」また標語のような「恐れない」というのは自分の心の「自由」を、危険と引き換えにしても譲らないという高い文化です。平等、友愛では、共和国広場?でイスラム教徒と名乗る人たちをハグする市民を見て涙が出ました。難民は被害者であり受け入れるという人道はやめないというオランド大統領。自分たちの命より理念が大事だった建国者の子孫であり、血は繋がっていなくても継承者なのですね。日本人には難しいことのように感じました。みなさんも改めて誇りに思っているのではないですか。
    空爆については、徹底的に叩けば防衛目的の戦争としては効果はあるのでしょうが、一般市民をあからさまな対象としたアメリカの日本空爆ほどではないのでしょうが、胸が痛みます。今回の相手はネットで世界規模で協賛者を得てここまで拡大し、広い地域の一体化にも成功しているわけですから、パリテロの復讐を宣言したハッカー集団は、実力が本物なら、大きな力になることを期待しています。サイバー防衛のリソースは桁違いであるはずの西欧諸国が率先してやってしかるべきだったのに、何をやっているのでしょうか。
    ちょっと長くなってしましましたが、私としては yukiさんとご家族ご友人を始めとする数える程の在仏の友人知人がまず無事で、心的負担も最小に、乗り切るれるよう強く祈っています。

  • admin:

    Nさん

     ぴりぴりしていた空気が薄れつつあります。
     今年の1月の チャーリーエブドがそうであったように、また繰り返されることは否めないのは知っているのですが、
     ある程度 緩めないと普通に生活はしていけません。以前より 意識して 今生かされている時間に感謝できています。(とポジティブに。)
     この国は屈することを知らない、高い意識を持った国民と改めて認識しました。(普段は愚痴ばかり言うので 疲れる国民性ではあるのですが、笑)

     私も日本にいるころは 対岸の火事という幸せボケをしていた国民のひとりだと思います。
     こうしてほかの国で暮らしてみて あらためて (原発のことはありますが)日本がいろんな意味でどんなに幸せな国なのかも実感しています。
     
     空爆も 標的が一般市民の住む中心に雲隠れしている限り、犠牲があるわけで心が痛みます。
     
     あの 911から ISIS勢力が拡大していくのをそのままにしてきてしまいました。おっしゃるとおり 桁違いのリソースを持ちながら いったい何をしてきたのか、
     そのあたりが腑に落ちません。

     いきなり大きく世界を変えることはできませんが、自分の周りから 生きることは素晴らしい、楽しい空気にトランスフォームしていきたいと思います。
     遠いアメリカで暮らすNさん、私にとって大事な大事なNさんご家族が 安全に、幸せに暮らしてくださってること、そしてこれからも。
     それが 私にとって大きな幸せです。

Leave a Reply

Register Please
favourite links

DEEP FOREST
www.deep-forest.fr

MIKA's NEW YORK BLOG
http://ny-blog.org

Translator
    Translate from:

    Translate to:

Shopping Cart

Your shopping cart is empty
Visit the shop

Rss Feed Facebook button